鶴見 様へのご質問・以下のご質問にご回答いただき、ご返送をお願いいたします。 Q2とQ3,Q6あたりは具体的なお話をお聞かせいただけると幸いです。 Q1.プロフィールを教えてください。(関わってきた作品、在籍していた会社など簡単で結構です) SCEタイトルの制作プロデューサーをやっています。最近出したタイトルで言うと、昨年末の「ジャック×ダクスター 旧世界 の遺産」ですね。主に、海外の制作会社とタッグチームを組んで、日本市場向けタイトルを作ってます。 大学生の頃はゲーム雑誌のライターをやっていました。で、卒業してからセガに入社して、「マイケル・ジャクソンズ・ムーンウ ォーカー」とか「スパイダーマン」「輝水晶伝説アスタル」という、キャラクター物ばかりを作り、SCEに入ってからは、「ク ラッシュ・バンディクー」シリーズ、「スパイロ・ザ・ドラゴン」シリーズを手がけました。今はフリーなんですが、以前と同様、 SCEに「住んで」ます(笑)。 Q2.今、携わっているお仕事は?(なるべく具体的に。PRを兼ねています。言える範囲で結構です。) すいません、今作っているゲームは、具体的にはまだ言えないんです!…が、かなり面白いキャラクター・アクションの新作、と だけは言っておきましょうか。気持ちイイ操作で、絶妙の難易度、滑らかな動き、多彩な仕掛け!…おっと、詳しくはまだ言えま せん。ちょうど今、台詞を書いている最中なんですが、例によって「おバカ」なキャラが、ヘンな相棒を連れて、宇宙をまたにか けて大活躍しちゃったり…いやいや、まだ言えません(笑)。まあ、今回のも自信ありますよ。「男の子ゴコロ」をソソるようなギ ミックが満載ですし…だからホントに言えないんですってば!(わはは) 「言えるオシゴト」としては、9月11日にCESAのデベロッパーズ・カンファレンス(CEDEC)で講師をしちゃったりな んかしちゃったりします。演題は「海外デベロッパーとともにヒットさせる日本市場向けゲーム」。もう申し込みは締め切られて いるかもしれないけれど、とりあえずCEDECのサイト http://cedec.cesa.or.jp/ をチェック! Q3.前回登場の藤澤さんとはどういう関係なのですか?(具体的なエピソードを1つ2つ教えて下さい。例:よく一緒に飲みに行 くとか…) ワタシが入社した頃のSCE制作部は、とっーてもこじんまりとした所帯で、ひとつの同じフロアで全員が仕事してたんです。宣 伝とかも一緒でね。そこで最初に覚えたのが、藤澤さん。なにしろ彼の「ドロボウヒゲ」が、非常に強い印象を与えてくれたもの で(笑)。すぐに打ち解けました。彼がプロデュースしたリズムアクションゲーム系のタイトルは大好きなので、ワタシは勝手に 「私設応援団」をかってでて、フロアで唄ったり踊ったりしてましたね。ヘンですか? ――SCEの宣伝には、叫んだり唄ったり踊ったりする人が多いので、あまりヘンじゃなかったんですけどね(笑)。 Q4.鶴見さんにとって、人生の転機となったのは、どんなこと(仕事、作品など)でしたか? もう「転機だらけ(笑)」のおテンキ野郎なのですが…小学生時代に、家の前のボウリング場で「ピンボール」に出会い、ハマって しまったのが、そもそも最初に「道を踏み外した原因」かもしれません(笑)。 長じてからは…ライター時代に、取材先のセガで佐藤秀樹さんと話が合っちゃって、セガに入るコトをその場でキメちゃったり… セガで身体を壊して退社した後、オープンカーで寝泊まりしながら本州全域を放浪したり…SCEに入って世界中のスタッフと一 緒に「クラッシュ・バンディクー」を育てて、初めて「大ヒット」を実感し…そのクラッシュくんと別れ(泣)…新シリーズを機 に独立し…ああ、なんだか流転の人生と言えなくもないですなあ(笑)。根が単純なので、あらゆる経験が「転機」と言えるかもし れませんね。 Q5鶴見さんにとって、20世紀の名作ゲームとは何ですか?(自分が関わっている、いないどちらでもOKです。理由も教えて下 さい。) 作品名:1本だけですか? 困ったなあ…ボードゲームなら「モノポリー」、ピンボールなら「Rollergames」(Williams)でキマリ なんですが…うーん…(1時間経過)…厳正な脳内審査の結果、ビデオゲーム部門は、「クラッシュ・バンディクー2〜コルテック スの逆襲〜」を僅差で抑え、「リブルラブル」(ナムコ)とさせていただきます! 理 由:あの頃のナムコのゲームって、圧倒的にセンスが良くって、ゲーム性の着想も奇抜で、キャラクターも優れてて、音楽も ポップで、「ラジアメ」(ナムコ提供のラジオ番組)も面白くって、販促物(POP、ポスター類)もイカシてて…ワタシらの世代 にとっては一種「特別の存在」なんですよ。だから、今の子供にとっては名作ではないかもしれない。知ってすらいないかもしら ない。けど、ワタシにとっては(そして同世代の多くの元ゲーマーにとっても)名作だと断言できます。特に、ナムコは昔から他 メーカーに比べて、キャラクターを大切にする姿勢をとっていたことは、非常に強い影響を受けました。 Q6.21世紀に流行るゲームはどんなゲームだと思いますか?(なるべく具体的に…) うーん、これまた困る質問です(笑)。 「流行」という観点だと、半年とか1〜2年スパンで色々なゲームが入れ替わり立ち替わり、ブームになっていくと思うので、予 測するのは難しいですね。技術の進化につれて、新しいゲームが生まれるでしょうし。 でも、「将来的にも変わらずに人気を得るモノ」なら判りますよ。それは「キャラクター」というか「キャラクターゲーム」。た とえばウルトラマンやドラえもん、スパイダーマン等の「キャラクター」は、親子2世代以上にわたって人気を得ているじゃない ですか。そこまで育てることができれば、キャラクターの生命は「永遠」になると思うんです。ワタシ達がキャラクター・アクシ ョンゲームにこだわっている理由もソレなんですよ。マンガやアニメのキャラクターを使ったゲームではなく、「ゲーム発のキャ ラクター」を認知してもらいたい…浸透させたい…そしてユーザーさんと一緒に「成長」させたい…そう思いながら、ずーっとや ってきています。 「流行るゲーム」じゃなくて「流行らせたいゲーム」ですね、これじゃ(笑)。 Q7.ゲームを作るとき、一番大事にしていることを教えてください。 ユーザーさんの顔を見ながら作る、ということに尽きますね。以前アーケードゲームを作っていた頃は、「ロケテスト」(発売前 の製品をゲームセンターに置くテスト)のウォッチ調査が楽しみでした。今は、様々なユーザーさんを集めて「モニターテスト」 をするのが楽しみです。我々が考えもつかないようなところを面白がってくれたり、ハマって腹を立てたりするのを見るたびに、 新鮮な驚きがありますね。ゲーム制作に関するすべての作業は、ユーザーさんの顔を念頭に置きながらやってます。 Q8.「棺おけにもっていきたいとっておきの作品(ゲーム以外の本・映画などでもOK)」をあげるとすれば何でしょう(複数可)。 「複数可」ですか? 本当にいいんですね?(にやり) それじゃあ言いますと… まず、梶原一騎の「男の星座」、これは外せないでしょう。梶原一騎の逝去により未完に終わってしまったマンガなので、向こう で続きと結末を訊きます。あ、もちろんサインも貰っちゃいますよ(笑)。でもそれをいうなら、「What is KARATE」「This is KA RATE」「世界ケンカ旅行」(すべて大山倍達・著)も持っていって、マス大山のサインも貰わなくっちゃ! 映画は「天国にいちばん近い島」のLDを入れて貰いましょうか。これはもう、青春の一本、なのです。実際にニューカレドニア に行って、原田知世がドラム缶風呂で涙を流した(とおぼしき)場所に行きましたが、本当に心が洗われました。「天国〜」だけ に、あの世へ持っていくのに相応しい1本ですね。 そして忘れちゃいけないのは、スターウォーズ(4〜6)。100回以上は観ているはずなのに、いまだに「ジェダイの復讐」の 最後のシーンでは必ず涙が出ます。なので、エンディングシーケンスを替えてしまった「特別篇」はダメです。もちろん、エピ ソード1,2も要りません。 ――本当はもっとたくさんあるんですが、棺桶の中にワタシが入るスペースがなくなりそうなので、絞りに絞りました(苦笑)。 Q9.鶴見さんに大きな影響を与えた人物を教えてください。(実在・架空問わず) 今まで会ったことのある、全ての人です! ワタシ、人の影響を受けやすいんですよ。 Q10.今、興味を持っていることは何ですか?(ゲーム以外でもOK) 車の「草レース」です。収入の大半をつぎ込んで、サーキットを走ってます(笑)。実は先月末も、福島県のサーキットで12時間 耐久レースに出場して、クラス5位の表彰台に乗ってきました! 朝まで会社で徹夜仕事して、それから筑波サーキットに行って レース…なんてムチャな生活が日常ですね。詳しくは「オープンカー軍団(http://www.mrspider.net/)」というサイトに書いてい るので、ぜひご覧くださいな。 <最後に> ●お友達を紹介してください。その方に次週、登場して頂きます。お友達はゲーム業界の方なら、広報、新人、社長、クリエイ ター問わずOKです。(ただし、他出版社の編集者、専属ライターはご遠慮ください)。なお、その方のアポが取れるかどうかわ からないので、3名ご推薦をお願いします。1番の方から、連絡を取っていきます。(もし、確実にアポが取れるのであれば1名 でOKです)。 友達候補1:スーパースィープ社 細江慎二(めがてん細江)様 ※すでにOKはもらってあります。古くからの呑み仲間で、ワタシに「日本酒」を教え込んだ張本人だったりします。