第11回
02/10/25号
名コンポーザー、めがてん細江氏から
学ぶ、ゲーム開発者の正しい資質とは?
 ドリマガの総合誌化を記念して(嘘)前回初めてセガ以外の人間について書きましたが、今回も引き続き、セガ以外の人間を題材にします。題して「ゲーム業界一の酒豪」のお話。それは…元ナムコ、現スーパースィープ代表の"めがてん"細江慎治氏です。以上!

――と、いきなり話が終わってしまいましたが(笑)、それも仕方がありません。何故なら、彼以上の酒豪というのは生理学的に有り得ないからです。
 一般に、成人男子の循環血液量は、体重1キロあたり約80mlとされています。そして血中アルコール濃度が400r%(血液100ml中のアルコール量)を越えると、昏睡、屎尿失禁、死亡等に至ります。つまりヒトは[体重×320r]程のアルコールで死んでしまうのです!

しかるに、めがちん(私はそう呼んでいます)が好んだ「ズブロッカ」という蒸留酒(スピリッツ)は、アルコール度数が40度。1本が500mlなので、アルコールの含有量は、約200g。これは、モーリング博士の『血中アルコール濃度と酩酊状態の推移』によれば、1時間以内に1本半を空けると、「昏睡期」に達し、死に至るという凄まじいアルコール量です。
めがちんは、それを一晩に数本空けていたというのですから驚きます。そして彼は、毎日毎日仕事の合間に、いやさ仕事の最中にも、飲んで飲んで呑みまくる。そして寝ない。乱れない。これはもう、業界一の酒豪と呼んでも異論は出ないでしょう。

*   *   *

 めがちんが、ナムコでリッジレーサーシリーズの曲を作っていたのは、テクノ系のクラブが隆盛を誇っていた時代でした。我々遊び仲間は、よく連れだって踊りに行っていたものです。とはいえ皆んな忙しい身ゆえ、徹夜仕事の合間に抜け出して行くのが常でした。平日の午前1時頃(!)に麻布で集まり、明け方までひと踊りしてから、それぞれ会社に戻って仕事を続けるという寸法。私などはプロジェクトを1本抱えていただけなので、まだ時間の遣り繰りのしようもあったのですが、売れっ子の彼は複数のPJに大量の楽曲を提供していたはずです。どうやって時間を作っていたのでしょう?

 疑問はそれだけに留まりません。彼は同時期に「趣味で」、伝説のテクノポップバンド「まにきゅあ団」の団長様として、楽曲を作りライヴをこなしていました。その上、やはり「趣味で」トルバドールレコードというインディーズレーベルを主宰して様々なゲーム作曲家とのコラボレーションCDを制作し、おまけに「趣味で」ナムコ未来犬ネットという草の根BBSを管理し、アクティヴなネットワーカーとして活動し、ゲーマーとして洋ゲーにハマり、その合間に(最中に?)大量のアルコールを消費する…これ、本当に一人の人間の活動量ですか!?

 信じられない活動量。有り得ない酒量。驚くべき作曲量&クオリティ。彼を見ると、これもまたゲーム開発者の正しい資質(ライトスタッフ)であり、自分も、もっと身体を酷使しなければなあ、と思ってしまうのですが…これって危い考えですかねえ?
教訓:活動せよ! そして呑め!

いやあ、この回を書くのは難儀したよ。
書いても書いても、めがちんの実像に迫れないっつーかなんつうか。
事実factを連ねて凄みを出そうとしたんだけど、それには誌面の量が足りない(汗)。
だいたい、今までメディアに出過ぎてるんで(笑)、何書いても「今更感」が漂うし。
いっそ、めがちんがナムコから「ナムコ時代の経歴は無かったコトにしろ!」と
要求されたという驚愕の事実について書こうかとも思ったんだけど、
それもpoliticaly incorrectな感じがするし――。
(つうか、今ここに書いちまってるけどね、わはは)
正直、この回はツラかったです、ハイ。


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