Open Car Army
オープンカー軍団のWEBサイト


オープンカー軍団/"MR Speedster"/ロールバー
Open Car Army / "MR Speedster" / Roll Over Bar


そもそもオープンカーには屋根がないワケですから、車体剛性的にはムチャクチャ不利だといえます。
MRスパイダーは後から屋根を切ったモノなので、特にそう言えます。RX−7と比べても弱いカンジで、
一口に言えば「フニャフニャ」。3速7000回転ぐらいから、ヒール&トウをしつつ(ブレーキを踏みつつ)
下りコーナーに進入すると、スキール音が予測できないタイヤから次々とランダムに鳴り出し、まるで
モグラ叩きの様相です。車体がよじれて、なおかつバタついている証拠です。はっきり言って怖いです。

こんな状態でサスペンションやブレーキをいじっても、効果はまったくないでしょう。改造のコンセプト
「ブランドパーツを装備して自己満足にひたるのではなく、一歩一歩、不満点を潰すために改造していく」
から考えても、最大の不満点である「車体剛性の補強」こそが改造の第一歩であるコトは、しごく当然です。

しかし! 超どマイナー車のMRスパイダーに既製品のロールケージなんぞ、あるワケがありません。
TRD荻窪に併設されたショップに持っていったトキなぞ、「MR2のロールケージが付くかもしれないけど
ちょっと取り寄せて、現物合わせしてみないとわからないですねえ」
と、いかにも〜な弱腰〜な答え。
しかも、「じゃあ付かなかったら?」と尋ねたら「買い取ってもらうしか……」だとさ。おい! このクルマ、
トヨタテクノクラフト(≒TRD)製だぞ! なんでテメエんトコでそんなコトしか言えねーんだよっ!?

しかも、そのロールケージったら……ムチャクチャ格好悪いし(泣)。

結局、剛性強化は、スーパー耐久のレーサーでもあるモータージャーナリストの大井貴之さんのオススメで、
横浜市泉区にあるハイレーシングさんにお願いしました。いわゆるショップというより、レース屋さんです。
せっかくレース屋さんにワンオフ(オーダーメイド)物をお願いするんですからと、ちょっと凝ってみました。


ハイレーシング前にて


単なる4点ロールバー? こうして外観だけを見ると、
単なる4点式ロールバーと
何も変わらないように見えます。

ま、超どマイナー車のMRスパイダーなんで
標準的な4点式ロールバーでさえ、
既製品はないんだけどね……(泣)。

しか〜しっ!
内装をハグってみると、こんな複雑な構造で、
しかも、べたーっと溶接までしてあるのだ〜!

写真左下に伸びている鉄パイプは、バルクヘッド
(キャビンとエンジンルームを分ける隔壁)
に溶接してあるのが判るでしょうか?
ちなみに、ミッドエンジン車なので、
エンジンはキャビン後方なのをお忘れなく。
溶接でべた〜〜っと

ドアを開けると「X字」 そして、ドアを開けると「X字」がっ!

普通なら乗りにくくなる改造なんでしょうけど、
「いつでもオープン」な軍団員にとっては、
まったくノープロブレムです(笑)。

ちなみに、このパイプでMRスパイダーは
土足禁止ならぬ「ロングスカート禁止」
と化してしまいました(笑)。
でも、ミニスカートならウェルカムです。
なんちて。

内装をハグってみると、こんなカンジです。
Aピラー(フロントウィンドウ枠)の根元から、
その真下のフロアにパイプを溶接して、
そこにX字の先を溶接しています。
ここも溶接・あそこも溶接

Iボルトも付けて貰ったのだ ついでに、運転席シート後ろに「Iボルト」も
付けて貰っちゃいました(写真では1本のみ)。
これは、4点式シートベルトの後ろ側を引っかけるのに
必要な部品です。ハードな走行には必須ですね。


今回の補強部分を下図に示します。
緑色が鉄パイプ(直径38mm)ピンクが車体との溶接部分黄色が鉄パイプ同士の溶接部分
これで、車体の前部と後部とを浅い箱形構造として一体化し、よじれ・バタ付きを減らしているワケです。
これを、S2000の「ハイXボーンフレーム構造」に対抗して、

ハイ"コ"ボーンフレーム構造

と名付けてみました。単に、上から見ると「コ」の字だってだけですが。


確かに、高速からのブレーキングやコーナー進入が怖くなくなりました。
効果あり!です。しかもオープン走行時の視界は遮らない優れモノ!

――しかしハイレーシング代表の米山さんの最後の一言には苦笑。
「これで、ノーマルのMR2ぐらいの剛性は出たよ」
どっとはらい。


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